入浴の時間は、私にとって一日の中でも特別に大切なひとときです。
湯気に包まれた浴室に足を踏み入れると、自然と肩の力が抜けて、心までほどけていくのを感じます。
そんな時間のお供に欠かせないのが、ささやかな読書。
湯船のそばに置いた小説を、濡れないように気をつけながら手に取り、静かにページをめくります。
お湯の温もりが体を包み、血の巡りがよくなると、不思議と物語の世界にもすっと入り込める気がするのです。
日常の忙しさや些細な悩みは、湯船の底に沈んでいき、小説の登場人物の感情や情景だけが、やわらかく胸に広がっていきます。
特に、心情描写の丁寧な作品を選ぶと、自分自身の気持ちとも静かに向き合えるようで、入浴の時間がより豊かなものになるんです。
長湯は得意ではありませんが、あと数ページだけ、と名残惜しく感じながら読み進める瞬間も大好き。
本を閉じて湯船から上がる頃には、体だけでなく心まで温まり、自然と前向きな気持ちになっています。
入浴と読書が重なり合うこの時間は、私にとって自分をいたわる小さな習慣であり、明日を穏やかに迎えるための大切な準備なのです。