この世の果てまで、小説を持って。 私の心をどんな色にも染めてくれる小説。どんな世界でも見せてくれます。

Author Archives: Admin

幾度となく読み返す海のある街を舞台にしたマンガ

海のある街を舞台にしたお気に入りのマンガを読み返してみました。この作品はある夏に起こった数奇な出来事を描いており、どれも不思議でどこか芸術的な香りを含んだストーリーです。私の身の上には起こったこともないような摩訶不思議な出来事が忽然と起こり、そしてゆっくりと風化してゆくような淡々とした作品です。例えば、ガラクタのようで見方によっては宝物のような漂流物が流れ着く海岸のこと、昔から言い伝えられている伝説が記された小説にあるエピソードが実際に起こってしまう出来事など、非常に奇妙なことがこの街には多々起こるのです。しかしながら、それらをあたかも当たり前のように捉えて受け入れる登場人物達の姿は非常に味わい深く、最大の魅力でもあります。私は頻繁にこのマンガを読み返しているためか、ページを開く度に懐かしさを感じると共にまるでマンガの舞台なった海辺の街の住人になったような気持ちになるのです。できることなら美しい海が広がるこの土地に住んでみたいというささやかな願望も生まれて来るのでした。
季節の移り変わりの中で、人も街も変化を遂げてゆくことを感じながら、非常に個性的な登場人物達と後味がよいさっぱりとしたストーリーに心から愛着を抱いております。それが何度もこの作品を手にする最大の理由だと感じています。

いつかは訪れたい雪深い町

雪といえばどんなことを思い浮かべますか。頭に浮かんだままに挙げてみると、温泉、かまくら、サルに鍋などでしょうか。でもこれだと思うのは、あの有名な日本文学に名を刻む小説かもしれません。トンネルを出た時に目の前に銀世界が広がる状況を表現したフレーズを学生時代の授業で知ってからというもの、ずっと潜在意識にひっそりとあり続けており、美しくも汚れの無さを抱く白い雪は、この恋愛小説にぴったりだと思うのです。
さて私の友人は数年前に、初めて雪国を訪れたそうで、今まで冬に寒いところへ行ったことがなかった彼女は、行く前からかなりの心積もりをしていました。ヒートテックの上着やブーツを用意して、万全な態勢で臨んだと話してくれたことが印象に残っております。しかしながら実際訪れてみると、その純白な世界観ときりっとした寒さが心から好きになったと嬉しそうに目を輝かして語ってくれました。そして今後もぜひ機会があれば行きたいと願っているそうです。その話を聞いてからというもの、私もいつか必ず行きたいと思いを募らせております。もし雪深いところへ行くことができたであれば、あの小説と同じシチュエーションで広がる真っ白な世界を見てみたいという切なる願いがに胸に広がって離れません。

ぜひ作ってみたい乾物レシピ

お友達の部屋のリビングの窓辺に、素敵な一冊の本が立て掛けられていました。それは乾物を使ったレシピが納められた書籍でした。ひじき、高野豆腐、切り干し大根や麩などを利用した手軽で栄養満点なおかずは、どれも非常に魅力的でした。特に高野豆腐のステーキや麩のピザは、和と洋のコラボレートを思わせるなかなか斬新な組み合わせでもあります。私はこの日、その本を見ながら作ってみたい料理を丁寧にメモして帰宅したのでした。その後時々あの日のメモを参考にして、料理にいそしむことに余念がありません。
さて、私がとても印象に残っているのはこの書籍の後ろに図書館の貸し出しカードが入る小さなポケットがついていたことです。友人に訪ねてみたところ、近所の小学校で地域住人への本の貸し出しをおこなっているとのことで、そこで借りたと話してくれました。そのポケットには借りた日付が刻まれており、たくさんの方々がこの作品を手にしてきたことが分かりました。ぼんやりとカードが入るポケットを眺めながら、みんなのお気に入りレシピはどれだろうと想像するのも楽しくて、この本が地域に住む人々のよき時間を提供していることも興味深く思いました。私も自分が住む町がおこなっているサービスを積極的に利用していこうと思っております。

会社のトップに立つ人に宿る強靭な精神

先日、若くして会社を立ち上げた男性が執筆した本を読みました。今まで起業家の書籍を手にしたことはあまりありませんでしたが、非常に面白かったため最後までノンストップで完読したのでした。ITバブルに差し掛かる前に起業し、バブルの崩壊により大きな挫折をしながらも、現在はたくさんの従業員が働く企業へと成長させた社長が記した文章は非常に胸を打つものでした。また社長イコール大金持ちというイメージが先行してあった私には、この本を読んだことで大きなカルチャーショックを受けたのでした。そこにはお金を生み出すことは基より熱意と仕事への大きな愛情が感じられたことは言うまでもありません。そのモチベーションは誰でも持つことが出来るものではないように感じました。
また90年代に起こったITバブルとその崩壊について書かれた文章からは、今まで知らなった経済や株についての動きを知るためのもよい勉強になりました。素人の私には株を上場させることがここまで大変なことだと思っておらず、経営者達がどれだけの困難を乗り越えて今に至るかを知るよい機会にもなったと思います。
この作品は、著者が心の中をさらけ出すように苦しかった時代を書いていることが最も印象的でした。そこからはどんな成功者であっても苦節を経験しながら、それを糧に生きていることが分かります。そしてハングリー精神という言葉だけでは表現できないような行動力が備わっていると強く感じました。この作品との出会いをきっかけに、これから様々な分野で活躍する社長や経営者の書籍をもっと読んでいきたいと思ったのでした。

幾つになっても楽しく生きたい

年を重ねることはたくさんの楽しみを知ることでもあり、それと同時に悩みや不安にさいなまれる頻度が増えてゆくことでもあります。例えば老後の蓄えや十年後のライフスタイルなど、マイナス方向へいざなう思考は行き場のない不安を抱きかねません。こんつめ過ぎることはよくないとは分かっていても、こうした懸念が頭の中に浮かぶとなかなか消えずに大きく広がってしまうものです。しかしながら考えていても仕方ありません。1年先や10年先の明るい展望を抱くのではなく、ネガティブな想像を膨らませることは自らの未来をも閉ざしてしまいます。そんな不安や懸念を回避するため、私は「女性のためのライフスタイル」について書かれた本を読むことを覚えました。世の中にある多種多様な考え方を学び、一つの価値観に執着せずに幅広い考え方を持つことは、よりよい生き方を選ぶことができる方法だと知ったからです。また「知ること」や「学ぶこと」は、たくさんの選択肢を持つことにも繋がってゆくと思うようになりました。
先日読んだ本に書かれていた、「貯蓄額を他人とは比べないこと」「60歳になっても10万円位は稼ぐことができる術を身に着けておくこと」というセンテンスはとても印象に残っております。特に後者は非常に興味深く感じ、気持ちを前向きにしてくれました。
「幾つになってもやりたいことは出来る」と人生の先輩方から教わることがあります。将来の不安にさいなまれながら生きることよりも、未来を切り開いてゆく心意気を持つことは人生を楽しむためにとても必要なことなのです。

ドイツの自転車事情からみる経済の価値観

金銭感覚は人それぞれ異なるものです。それは育った環境や年収、はたまたライフスタイルなど影響されることが多々あるため、人の数だけお金に対する考え方があることに気付かされます。
昨晩、ライフスタイルと金銭感覚に関する興味深いことが掲載された書籍を読みました。著者がドイツに行った時のこと。出会う人々が乗る自転車は、日本よりも高価なものが多く、みんなパーツを個別に買い、独自の愛車を作り乗りこなしていたそうです。自分のこだわりを持ち、愛情をかけた高価な自転車を長く大切に使う姿勢から、日本での消費について考えさせられたと書かれていました。確かに日本で暮らしていると幾らでも高いものを買うことも出来るし、ここ最近は安くものを買うこともいとも簡単に出来る時代になったように思うのです。もちろん安くても良いものもたくさんあるし、愛用して大切にしているグッズも多々ありますが、安易に購入できることで物に対する価値がおざなりになってしまうことも経験してきました。
この書籍からそれぞれの暮らしや思考により「こだわり」は異なることを学んだものです。そのため、「私にとってこれだけは譲れないもの」に対しては、高額を払ってでも長く使うことを考えてもよいのではないかと感じております。
もしかすると自分にとってのこだわりが分かった時、本当に大切なことも見えてくるのかもしれません。暮らしてゆく中で切っては切れないお金と上手にお付き合いすることができれば、よりよいライフスタイルが開けるのではないかと思いました。

さよならの気持ちこ込めて読みたいマンガ

近所にある小さな本屋さんを訪れた日のことです。もうかれこれ十年以上前からファンであったマンガ家が手掛けた新作が棚に並んでいました。この方は今まで数えるほどしか著書を発表していないこともあり、それを見つけた時はとても嬉しくて、すぐさまレジへ向かったのでした。
帰宅後、本の帯にふと目をやると「追悼」と書かれており、この二文字を見つけた瞬間、著者がこの世を去ったことを知ったのでした。この漫画家の作品に初めて出会ってから長い月日は経ており、落ち込んでいる時、楽しい時、一日が終わり深い眠りに着く前など、私の心をいつも穏やかなものにしてくれたことを思い出します。そのためとても切なくて、何だか寂しくて、その作品をなかなか読む事が出来ずにおり、同時に「さよなら」の意を込めてじっくりと丁寧に読もうという気持ちも胸に宿っているのです。
近々心地よく晴れた休日の午後にでも、読んでみようかと思っております。なぜなら今まで手にしてきた作品は、どれも穏やかな休日を彷彿とさせるストーリーだったからです。何気ない暮らしをとても丁寧に描き、生きることの幸せを感じさせてくれた著書達は、これからもずっと私の心に刻まれ続けることでしょう。購入したあの一冊の本は、感謝の気持ちを込めて大切に心に刻もうと考えております。

マカロンとシャンパンでお姫様気分を味わいたい

マカロン、それは甘くて可愛らしいお菓子です。最初に出会ったのはもうずっと前のことですが、初めて食べた時に感じたふんわりとした素材の香りと濃厚なお味に思わず笑みがこぼれたものです。あれから長い年月が経ちますが、いまだに自分へのご褒美として購入することも少なくありません。そんな時いつもりおしゃれな心持ちと、ちょっとしたお姫様気分を味会わせてくれます。
このお上品なお菓子はフランス発祥だそうです。先日読んだフランスの食事事情を紹介した本にも書かれており、マカロンで有名な街も紹介されていました。どうやらこの本の著者もマカロンの大ファンのようで、ご当地である街を訪れて食したことが書かれていました。それを読んだ時「なんてうらやましい」と指をくわえてしまいました。また本には1キログラム購入してシャンパンと共に食べたいという願望も書かれており、私も思わず賛同したのでした。あっさりとした辛口なシャンパンとマカロンの相性はぴったりだと思い、想像しただけでもとても幸せな気分になります。小さいながらに非常に手が込まれたスイーツなためお値段は高めです。しかしながら1キログラムは無理だとしても、1、2個購入してシャンパンと嗜む位ならできるのではないかと思います。近々計画を実行しようと考えております。

手際よく料理をする女性の背中

私の友人に手際よく美味しい料理を作る女性がいます。初めておうちでご飯をご馳走になったのは今からかれこれ5年位前だったと思います。寒い冬の夜、待ち合わせたスーパーで材料を買い込み友人宅へ向かったのでした。「ゆっくりしててね」と言われ、すぐにビールとナッツ、それにアボカドとトマトのサラダが登場し、次々とヘルシーで美味しい食事がテーブルに並び、最後には鍋が登場しました。ガスコンロと電子レンジをフル活動しながらも掛かった時間はおよそ30分位だったと思います。みるみるうちに色鮮やかに盛り付けされたお皿がテーブルに並ぶのを見ながら「こんな女性になりたい」を強い憧れを抱いたのでした。
先日、女性が作る料理について書かれた本を読みました。一人暮らしであったり結婚をしていたり、恋人と住んでいたりとライフスタイルは様々でしたが、その本にもまた素早く美味しい食事を作る方々が登場していました。パスタや和食などそれぞれの気持ちが籠ったお得意レシピを作り、それらが写真として収められておりました。中でも簡単に素早く出来てお腹も満たされるパスタは色々な種類が載っていて、私もトライしてみたいと思いました。
仕事に恋愛、趣味や家事など生きてゆくなかでやることはたくさんあります。しかしながらどんなに忙しい毎日を送っていても、食べることはとても大切なことであり生きるパワーの源なのです。だからこそ世の中にはたくさんの料理についての本が発行されるのだと思います。そして何よりも台所に立ち、てきぱきと料理をする女性の後ろ姿は、同性からみても凛々しくて素敵だと感じるのでした。

ワンコに振り回された休日

先日のお休みはうちのワンコに振り回されました。実はその日、読みたいと思っていた本の発売日でした。でも、ワンコをシャンプーにも連れて行かなければいけなくて、動物病院にもちょっと用事がありました。その上、銀行と仕事で使う小物の買い物に行く予定もあったんです。だから、どうすれば時間を有効に使えるかと考えてスケジュールを組みました。シャンプーには予約の時間があるから、まずペットショップにワンコを連れて行って、預けている間に動物病院に行って、それから銀行に行き、書店に行って、その後に小物の買い物をすることにしました。意外とスムーズに用事を済ませることができて、念願の新刊も買うことができました。いったん家に戻ってホッと一息です。そしてカバンからまだインクの匂いのする新しい本を出して、「さぁ、読もう」としたときです。シャンプーが終わったとの電話がかかってきました。仕方がありません。読書はお預けだけど、とりあえず迎えに行かなきゃ。でも、迎えに行ったら、ペットショップの人に言われたんです。「キャンディちゃん、お耳の病気がまだ全然治ってないですよ」って。まさか! もうそんなに赤くないし、痒がらないから、治っているものとばかり思っていたんです。ペットショップを出て、そのまま動物病院に直行でした。あらたにお薬をもらって帰宅したら、今度はお散歩です。なんだか疲れ果ててしまいました。結局、私の読書は翌日に持ち越しでした。まぁ、耳の病気には気が付いて良かったんですけどね。そう思わないとやってられません。