先日、少し難しい本を読む機会がありました。ザイアンスの『動因理論』が書かれた本です。もともとの理論の説明はかなり難しいので、かなりかみ砕いて優しく分かりやすく説明したものです。けど、それを読んだら、『人間には本番に強い人と弱い人がいる』ということは、性格的なことではないんだなってわかりました。もちろん、緊張しやすい人やしにくい人はいると思うんだけど、根本的にはその違いや原因は個人の持っているものではないんです。この理論では、周りに他人がいる状況の中で何かをする場合、簡単で得意な課題ならよりスムーズに上手くできて、複雑で苦手な課題では一人の時よりも間違ったりミスをしたりしやすいというんです。私も経験があります。子どもの時のピアノの発表会で、家では弾けてたのに本番では間違ってしまったこと。面接やプレゼンなどでも同じです。その本にはフィギュアスケートのキム・ヨナ選手のことが取り上げられていました。高度な技を完ぺきに演じられる状態がいつものリラックスした状態であれば、いくら大勢の他人が周りにいたとしても、ミスすることなく時にはいつもよりスムーズに実力を発揮できると。その理論通りに力を発揮しようと思えば、練習を重ねる以外には方法はないんです。複雑で難しいことがリラックスした状態でできるようになるまでの練習が必要で、体に染み込ませることが重要なのです。そう考えたら、難しい理論云々ではなく、何事もやはり、繰り返し練習して努力するしか道はないってことですね。