この世の果てまで、小説を持って。 私の心をどんな色にも染めてくれる小説。どんな世界でも見せてくれます。

Monthly Archives: 1月 2016

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電車に乗るのが好きです

電車などに乗っている時の、あの「揺れ」がとても好きです。幸いなことにあまり乗り物酔いする体質ではないので、流れゆく車窓を見ながら、あるいは音楽を聴きながら、のんびりと揺られています。さすがに本を読むと酔います。発売されるのを心待ちにしていた小説を、家に帰るまで待ちきれずに一気読みした時などは悲惨な目に遭いました。吐き気と戦いながら読むものではありませんね。せっかくの楽しみを、早く読みたいと焦るあまり台無しにしてしまいました。
それはともかくとして、疲れているときなどはあまりの心地よさに眠くなりますね。暑い日はほどよく冷房がきいていて、そして寒い日はほどよくあたたかくて。そしてゆりかごに揺られているかのような感覚が延々と……。うっかり寝こけてしまい、目的地を通り過ぎかけたり、実際に通り過ぎてしまったことは数知れず。コミックなどによくあるように、終点まで乗ってしまった、ということは今のところないのですが。友人曰く、「いつかやらかしそうで怖い」そうです。失礼な。
思い返せば子供の頃、今はもう廃線になってしまったローカル鉄道に乗るのが好きで、母に何度もたしなめられていたにも関わらず、座席に登って車窓を眺めたり、第一車両を目指して走っていったりしたものでした。いわゆる「乗り鉄」の気があるのかもしれません。

昔使っていた教科書

学生時代に使っていた教科書を捨てようとしたところ、学芸員をしている知人から思い留まるよう説得されました。何でも教科書というものは数十年も経つとそれなりの価値が出るそうで、是非取っておけと。それを聞いた小市民の私はとりあえず物入れにしまって取っておくことにしましたが、そのようなこともあるのですね。少し意外です。
せっかくだったので、しまう前に表紙を除菌用アルコールで拭くことにしました。すると、小説を整理する時にも似た感慨が湧きました。普段は忘れていても、手に取れば蘇る思い出の数々……。人間の記憶というのはけして忘れられることはなく、思い出せないのはただアウトプットに必要なプロセスが多くなっているだけ、という説がありますね。これもそういうことなんでしょうか。
私にとって学校というのはけして楽しいだけの場所ではなかったので、思い出したくないことも思い出してしまいました。もういっそのこと市営のゴミ処理場まで持って行ってひと思いにお別れしてしまおうか、とも思ったのですが、そういう時に限って蘇ってくるのは、楽しかったことなんですよね。今でも付き合いが続いている友人や、所持し続けている小説と出会ったのもこの頃でした。愛憎相半ばす、という気持ちが分かったような気がしました。