この世の果てまで、小説を持って。 私の心をどんな色にも染めてくれる小説。どんな世界でも見せてくれます。

Monthly Archives: 3月 2018

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心は同じ

今、読んでる短編集の1つの物語には1人の少女が重要な役割で登場します。彼女は小学4年生です。空想の世界と現実の世界を半分ずつ生きているような少女で、だから、小学生らしい発想で純真だと言えるけど、大人のように常識的には行動しないから、それが恐怖感を与えるんです。その小説を読んでいたら、子供らしいからこそ怖いって思っちゃいます。もちろん、小説だからインパクトがある少女として登場していて、これが普通だとは思っていません。
けど、感情って子供も大人もそんなに違いはないんだって私は思っています。もちろん、子供は未熟で誤った判断をするし、色んな経験が少ない分、無知なことも多いです。でも、喜怒哀楽に関しては大人との差がどれだけあるのか、なんてわかりません。だって、自分自身の幼い頃を振り返ってみても、その時々で感じた事って、大人の今と大差がない気がするんです。悲しい、嬉しい、寂しい、楽しいなどの気持ちは変わってないって思います。もしかしたら、話せないだけで赤ちゃんだって同じかもしれないって思うんです。そう考えたら、子供だからって安易に接してはいけません。感情はみんな同じです。傷ついた時の気持ちはずっと忘れないし、嬉しかったこと感動したことだってちゃんと残ります。大人と子供って体という入れ物が違うだけで、心はきっと同じだと思うんです。

なぜここに本が……

先日、仕事を終えて自宅の最寄り駅まで帰って来たときのことです。駅の階段を上がって外に出て歩き出した時、歩道に何かが落ちていることに気づいたんです。近寄るとそれは1冊の本でした。こんなところに本が落ちてるなんて信じられない気持ちでした。でも、拾い上げてみたら汚れていなかったし、落としてからそんなに時間が経ってないんだなって思いました。もちろん持って帰るつもりなんて全くなかったけど、読書好きな私はやっぱりそれが何の本なのかが気になってタイトルを見てしまいました。すると、私も読んだことがある作家さんの小説でした。なんだか急に身近に感じて、ちゃんと持ち主に返してあげたいなって思ったんです。でも、どうやって? だって、駅に着いてからそこに落としたのか、駅から電車に乗ったのか、もしくはそこを通りがかっただけなのか、全くわからないんですもの。だとしたら、その場に置いておくのが一番イイのかもしれません。もしかしたら、気づいて探しに戻ってくるかもしれません。けど、いくらなんでも、元通りに歩道に置いておくことはできません。考えた末、すぐそばのベンチの上に置きました。そこなら、見渡せばきっと目につくだろうし。振り返ってみたら、大丈夫、気づくはずです。あとは、ベンチに座った誰かが持って帰ってしまわないことを願うばかりでした。