この世の果てまで、小説を持って。 私の心をどんな色にも染めてくれる小説。どんな世界でも見せてくれます。

Monthly Archives: 2月 2019

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天使と悪魔

人間ならたぶん誰でも、心の中に天使と悪魔が住んでいると思います。もちろん、ほとんどの人は天使の声の方を選んで行動しているとは思いますけどね。でも、私だって、正直なところ、今までに一度だって意地悪な気持ちになったことがない、なんて言えません。つい意地悪心が生まれてしまったことだってあると思うんです。そして、たいがいは奥深いところに沈めておくんだけど、時には言葉にしてしまったこともあると思います。そんな言葉を言ってしまった後には必ず、自分も嫌な気分になってそのことを後悔するんです。
今読んでる小説にも、主人公の心の声の描写には、そんな葛藤が何度も出てきます。自分とは考え方や意見の違う人間に対して、彼らのその行為があまりに愚かだと思い、ムクムクと湧いてくる意地悪な気持ちをそのまま差し出したくなるって書いてあるんです。その衝動わかります。主人公もそんな衝動を何度も抑えるんだけど、過去に抑えきれなくなったとの記述があります。でも、それについてはまだ謎です。だから、この先を読み進めていけばきっと、何か事件が起きそうです。彼が爆発してしまいそうな気がします。けど、本当に繊細な心理描写が見事で、普通なら誰もが表に出したくない、誰かに知られたくない奥深いところにあるものを書いていて、思わず自分自身を見透かされているような気持になってしまうんです。けど、私の中にいる悪魔は封じ込めておきたいものです。

風景は生きている

毎日、何気に通る道。何気に見ている景色。それは意識しなければ全く同じ日常です。でも、実は季節ごとに、いえ、日々何かしら変化しているんです。今日は昨日と同じではありません。先日の朝、このことをつくづく感じたんです。その朝、いつものようにワンコのお散歩のために玄関から外に出ました。まだ道行く人が少ないなか、もう駅に向かう数人とすれ違いながら池の方に歩き始めた私は、池のほとりに高くそびえている一本の木に目が留まりました。というよりも、その木を含めた目の前の風景に目が留まったと言う方が正しいです。背景となっていた空は、上の方が薄い水色で、徐々に下の方は薄桃色になっていたんです。そんなグラデーションをバックにして木は立っていました。「うわぁ」と声に出さずにはいられませんでした。これって以前、何かで見たような……写真集だったかなぁ。いや、違う。童話の挿絵……なんのお話だったんだろう。絶対に見たことがあります。けど、一枚の絵のようなその景色がそこにあることに私は初めて気づいたんです。今まで気づかなかったのか、それとも、その日に初めてあの風景が出来上がったのか。きっと、草も木も生きているし、空だって常に変化しているから、あの瞬間だけだったのかもしれません。でも、それを何で見たんだろう。一体、なんの本で。それだけは未だに思い出せていません。