この世の果てまで、小説を持って。 私の心をどんな色にも染めてくれる小説。どんな世界でも見せてくれます。

サプリのような夕焼け

先日の休みの日は何も予定がなく、一日中本を読むことに決めていました。朝ごはんを食べ終わるとさっそく開始です。お昼ごはんの時だけ中断して、食べながら前夜に聞き逃したラジオをアプリで聞きました。意外とラジオが面白くって、ごはんのあとにコーヒーを淹れて、しばらく聞き入ってしまいました。でも、小説も気になります。医療ミステリーだから緊迫のシーンも多く、息を飲んだり驚いたりと、座っていても脈が速くなってしまいます。
ラジオを止めて本に戻った私は、再び、笑いとは遥か離れた世界へと入って行きました。そういう物語のときって、知らず知らずのうちに体に力が入ってしまっているものですね。夕方になってワンコがお散歩の催促をし始めるまでの数時間で、ふと顔を上げたときには全身が硬直していたように思えたんです。次々と危機迫るものがあるから無意識にそうなってしまっていたってことです。まだ、3分の1くらいは残っていたけど、本を置いて「うーん」と伸びをしました。けど、ワンコの催促が良かったかもしれないと思いました。だって、ずっと同じ姿勢を続けていたから、けっこう体には負担だったと思うんです。
ワンコと一緒に外に出た私を迎えてくれたのは、燃えるようなオレンジ色の空です。一瞬、火事かと思ってしまったほど。でも、そうやって歩いて体を動かすことは、すごく気持ちのいいものでした。夕方の何とも言えない穏やかな空気感といい、サプリをイメージするような夕焼けの色といい、一日の終わりを迎える前にピッタリだったんです。イイ一日だったなって思いながら歩きました。

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