この世の果てまで、小説を持って。 私の心をどんな色にも染めてくれる小説。どんな世界でも見せてくれます。

こたつ布団を片づけている最中に

数年前の春のことです。そろそろあたたかくなってきたので、居間のこたつを片づけることにしました。敷き布団をめくってみると、前回の掃除から少し間が空いていたこともあってか、ホコリが溜まっていました。とりあえず敷き布団を剥がした瞬間、奥からぴょっと飛び出してきたもの……それは黒っぽくてつやつやして平べったい、しゃかしゃか素早いアイツ。年甲斐もなく悲鳴を上げました。
あたたかくなると出てくるものだとはいえ、色々策を講じていたはずだったのですが、効き目が薄れてきていたようです。私が驚いている間にソヤツはどこかに行ってしまったので、急いでこたつ布団を片づけました。1度姿を見ると、いったい次はどこから出現するのかとビクビクしてしまって、ちっとも落ち着かない掃除でした。
おおかた終わったので、次は家中の駆除剤を新しいものに取りかえました。それでも何だか気持ちが悪かったので、除菌剤入りの不織布で家中の床という床を拭きました。
その後、その年はほとんどその姿を見ないままとなったのですが、こたつに軽いトラウマが残りました。だらだら寝転がって小説を読もうとして、こたつに足を突っこむ瞬間などが怖いです。あんなひどいビックリはもう2度と御免です……。

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