この世の果てまで、小説を持って。 私の心をどんな色にも染めてくれる小説。どんな世界でも見せてくれます。

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それがオチだったなんて!

子どもの頃に読んだ童話で今でも記憶に残っているものがいくつかあります。その中でも『不思議の国のアリス』は紙芝居も持っていて、何度も読んでいました。だから、アリスの顔や洋服も頭の中には鮮明に残っています。もちろん、走って行ったウサギもはっきりと覚えていますし、ハートの女王や猫や帽子屋なども記憶にあります。けど、途中の色んなキャラクターは覚えているのに肝心な結末がなぜか曖昧になってしまっていたんです。そのことには気づいていましたけど、そこをあえて追及しようとか真実を確かめようとか思いもしなかったし、友人とそんな話もしたことはありませんでした。
でも先日、『不思議の国のアリス』についての記事を読んだんです。それを読み始めた時には特に結末がどうだったかなんてことさえも気にも留めていませんでした。けど、あらすじの紹介を読み進めていくと、ラストの展開が衝撃だったんです。アリスはお姉さんの声で目が覚めるって……「不思議の国って夢だったのね」って唖然です。どうやってアリスは落ちた穴から出たのかって全く記憶になかったはずです。子どもの頃はラストが夢で終わっても全然受け入れられてたんですね。他にも、童話には最後は夢だったっていうのがあったように思います。今となっては、そんなことで終わるなんて許せないかもしれません。「こらぁ、夢だったんかい!」なんて、突っ込んでしまいそうですもの。

やはり何事も練習です

先日、少し難しい本を読む機会がありました。ザイアンスの『動因理論』が書かれた本です。もともとの理論の説明はかなり難しいので、かなりかみ砕いて優しく分かりやすく説明したものです。けど、それを読んだら、『人間には本番に強い人と弱い人がいる』ということは、性格的なことではないんだなってわかりました。もちろん、緊張しやすい人やしにくい人はいると思うんだけど、根本的にはその違いや原因は個人の持っているものではないんです。この理論では、周りに他人がいる状況の中で何かをする場合、簡単で得意な課題ならよりスムーズに上手くできて、複雑で苦手な課題では一人の時よりも間違ったりミスをしたりしやすいというんです。私も経験があります。子どもの時のピアノの発表会で、家では弾けてたのに本番では間違ってしまったこと。面接やプレゼンなどでも同じです。その本にはフィギュアスケートのキム・ヨナ選手のことが取り上げられていました。高度な技を完ぺきに演じられる状態がいつものリラックスした状態であれば、いくら大勢の他人が周りにいたとしても、ミスすることなく時にはいつもよりスムーズに実力を発揮できると。その理論通りに力を発揮しようと思えば、練習を重ねる以外には方法はないんです。複雑で難しいことがリラックスした状態でできるようになるまでの練習が必要で、体に染み込ませることが重要なのです。そう考えたら、難しい理論云々ではなく、何事もやはり、繰り返し練習して努力するしか道はないってことですね。

お寿司は万能なご馳走

私はお寿司が大好きです。誰かに連れて行ってもらう高級なお店のカウンターはもちろんたまらなく好きだけど、リーズナブルな回転ずしだって捨てたものではありません。それこそ家で有り合わせのもので作る手巻きやちらしずしにも目がないんです。酢飯が好きっていうのもあるんですけどね。だって、酢飯って天才かと思うくらい何でもご馳走に変えちゃうんですもの。
先日、雑誌で見かけた「てごね寿司」はバラエティ豊かなものがいくつか紹介されていました。カツオやアジを使ったものやグレープフルーツを使っためずらしいものまでありました。みょうがや青じそを散らしたものはそれだけで食欲をそそります。ニンニクを入れたタレを回しかけるものは、お寿司とは思えないスタミナです。でも、どれも基本はタレにつけた魚を混ぜ合わせるシンプルなものだから作るのも簡単です。大き目のお皿に作って香味野菜を散らせば、それだけでご馳走になります。それを取り分けて食べればみんなで楽しめます。そんなに沢山作らなければ、一人でも大丈夫です。家飲みの一品としてもいいかもしれません。ビールやワインにも合いそうです。家でひとりのんびり気楽に、それでいてちょっぴりご馳走気分って最高ですよね。ゆっくり楽しむには、やっぱりお休みの前日ですよね。

今や女性だけじゃない

先日、本屋さんをぶらぶらしていて雑誌コーナーを見ていた時のことです。驚いたことに男性用の美容雑誌があるんですね。中をチラッと見てみたら、化粧水や乳液、美容液に加えて、お肌の美白とか歯のホワイトニングとかが載っていて、本当に女性顔負けの内容でした。以前テレビでも、その雑誌に書いてあるように洗顔にこだわりを持っていて、洗顔後のお手入れにもたっぷり時間をかけているという人を見たことがあります。確かその人寝る前にはパックもしてたっけ。私なんか完全に負けています。
そういえば、最近は美容整形でも男性が増えていて、ヒアルロン酸注入や脱毛をする人までいるという記事を思い出しました。垣根がなくなってきたというか、お化粧も服装もそうですものね。でも、大昔はみんな普通にお化粧をしていたらしいんです。なんとなく平安時代の男性はお化粧してたんじゃないかな、とも思えます。想像してみても全く違和感ありません。
肌だって汚いよりはキレイな方がいいに決まってるんだけど、あまりにお肌がツルツルな男性が増えたら、それはそれで、ちょっと困る気がします。女性としての立場がなくなるじゃないですか。男性のみなさん、あまりに美を極めないで、ほどほどにしておいてください!とても追いつけそうにないので。

ホテルのような夜行バス

夜行バスは電車に比べると格安だし時間も有効に使えるから、利用する人は多いと思います。特に学生さんなど若い人は良く利用しているかもしれません。けど、夜行バスにも色んなグレードがあってより快適に過ごせるようにと大人向けに考えられているものもけっこうあります。先日、読んだ記事に書かれていた夜行バスは、ホテルのようなサービスをモットーにしているんだとか。なんでも、大型バスなのに座席は12席しかないらしくて、であれば、かなりゆったり仕様だと思います。そして、そこには、『バスは劇場、運転手はアクター』と書かれていました。リピーターが多い女性向けのバスで、運転手はお客さんのキャリーケースと名前を覚えているんだそうです。そして半分水を入れた500mlのペットボトルをダッシュボードに置いて、それが倒れないような極力揺れない運転を心がけているんだって。もちろん、常におもてなしの心で接客をしているそうです。本当に夜行バスとは思えないホテル並みのサービスです。そのうえ、朝早く着くから、乗客は到着先で無料でシャワーやマッサージチェアを利用できるんだって。これは嬉しいサービスですよね。私も今までに何度か夜行バスを利用してますけど、着いた時にちょっとゆっくりしたいと思っても、そんな場所はなく、ハンバーガーショップで時間をつぶすことになるんですもの。やっぱり、何事もいかにしてお客様に満足してもらえるかを常に考えていかないと、利益を上げてはいけない時代になってるんですね。「そこまでするの?」と思ったりもするけど、満足すればそれを選択してリピートしますものね。日々の私の仕事も、もう一度見直してみなくっちゃ。

これは戦略です

待ち合わせ場所って、どの駅にも必ずココっていう場所がありますよね。大きな時計だったり、噴水だったり、モニュメントだったり。そして、そこでは必ず大勢の人が待ち合わせをしています。そんな鉄板の待ち合わせ場所で先日、知人と待ち合わせをしました。そこは、大きな液晶ビジョンの前です。時間より少し早く着いてしまったので、その大画面に目を向けていました。初めはトレンドファッションのニュースが流れてて、見るとはなしになんとなくボーっと見てるって感じでした。時々、同じように待ち合わせをしている人たちを眺めたりしながら。次に画面に目を向けたら、ファッションニュースから星座占いに変わってたんです。占いって目の前に持って来られたら、信じてないって思っていても何故か注目してしまいます。今週の運勢のランキングなんて出て来たら、自分の星座がどうなのかって絶対に気になります。自分ではあえて見ようとまでは思わないのに、見てしまったんだからもう手遅れです。結果は第3位。まずまずかなとにっこり。これが12位なんていう日には嫌でも気分に影響します。そして、占いなんて気にしない!と言い聞かせるのです。飽きさせないように上手く出来てて、占いランキングの次は売れ筋本ランキングです。こっちの方がもっと興味あり。第1位の本のタイトルを見た瞬間に読んでみたいって気持ちがムクムクと膨れ上がったんです。そして、私はそのまま書店へ直行です。だって、大型液晶ビジョンのすぐ横が書店だったんですもの。まんまと引っかかりました、私。

季節の美しい言葉を

最近、ほとんど手紙やはがきを書かなくなりました。遠く離れている友人にだってパソコンやスマホがあればメールやLINEですぐに連絡が取れます。お仕事だってそう。大事な要件、急ぎの要件、すべてメールです。手紙やはがきだとどうしても時間がかかってしまい、便利なメールに変わって行ったんでしょうね。
メールは手紙のように前置きはあまり必要なくて、わりといきなり要件から入るようなことも多いですよね。でも、ふと思ったんです。少し久しぶりに連絡を取る人とかお仕事でも数か月単位での取引になる人とか、まぁそれ以外の人でもモチロンいいんだけど、ちょっと洒落た挨拶をメールに書けたらいいなって。手紙だと書き出しに季節の言葉を入れますよね。それです。メールにも活用したいなって。それで、季節の言葉の本を買ってきました。読み始めて感じたのは、これは絶対に使えるってことです。本に書かれている季節ごとの挨拶や文章の書き出しや締めくくりの美しいことと言ったらありません。読んでいても、なんていうか、心がふんわりするのです。ほんの一言だったりするのにですよ。きっとメールの印象もずいぶん変わると思います。私のメールを読んだ人が、柔らかい心になって優しい印象を持ってくれたら本当に嬉しいなって思います。私、そこを目指します。だって日本語ってこんなに美しいんだもの。

資源回収のトラック

我が家の地方では、1ヶ月に1度、再生資源の回収があります。市の業者さんがトラックを運転しながらやってくるので、玄関先に置いておくのです。畳んでまとめた段ボール箱や古紙などを。すると、トイレットペーパーと引き替えに持って行ってくれるのです。徹底的に掃除をしようと思い立ったら、まずその回収日をチェックし、それまでにゴミをまとめられるようにします。
が、先日はそのスケジュールに混乱が生じました。その日でもないのにトラックが来てしまったんです。しかし市で配布しているカレンダーを見ると、予定はやはりまだ先でした。どうなっているんだろう、とカーテンの影からそっと運転手さんの顔をのぞき見ると、いつもの人とは違いました。
「一体何だったんだろうね」。翌日の、近所の奥様方とのお茶会では、当然のようにそのことが話題に上りました。すると、どこまで本当かは分かりませんが、なかなか入り組んだ事情があることを消息通の奥様から教えてもらえました。世の中、まだまだ知らないことだらけです。
やがて予定の日が来て、いつもの人に大量に出た我が家のゴミを持って行ってもらいました。通販の段ボールの他、傷んだ小説などを出すことが多いのですが、そのせいで趣味がバレているようで、時代小説の話を少しだけ交わすことが出来ました。単純にも、ずっとこの人に来ていてもらいたいと思ってしまいました。

電車に乗るのが好きです

電車などに乗っている時の、あの「揺れ」がとても好きです。幸いなことにあまり乗り物酔いする体質ではないので、流れゆく車窓を見ながら、あるいは音楽を聴きながら、のんびりと揺られています。さすがに本を読むと酔います。発売されるのを心待ちにしていた小説を、家に帰るまで待ちきれずに一気読みした時などは悲惨な目に遭いました。吐き気と戦いながら読むものではありませんね。せっかくの楽しみを、早く読みたいと焦るあまり台無しにしてしまいました。
それはともかくとして、疲れているときなどはあまりの心地よさに眠くなりますね。暑い日はほどよく冷房がきいていて、そして寒い日はほどよくあたたかくて。そしてゆりかごに揺られているかのような感覚が延々と……。うっかり寝こけてしまい、目的地を通り過ぎかけたり、実際に通り過ぎてしまったことは数知れず。コミックなどによくあるように、終点まで乗ってしまった、ということは今のところないのですが。友人曰く、「いつかやらかしそうで怖い」そうです。失礼な。
思い返せば子供の頃、今はもう廃線になってしまったローカル鉄道に乗るのが好きで、母に何度もたしなめられていたにも関わらず、座席に登って車窓を眺めたり、第一車両を目指して走っていったりしたものでした。いわゆる「乗り鉄」の気があるのかもしれません。

百年の恋も冷める?作家の失言

こういうこともあるのだなあと幻滅半分、教訓半分という気持ちになったことがあります。今から○○年前、私はとある小説にハマりました。軍記物で、とても面白かったです。それから時が経ち、その作家さんが新しい小説を書くことになりました。発売前からそれはそれは楽しみにして、予約の開始をずっと待っていました。そしてその作品をついに手に入れて読みふけった日の幸福感といったら……。その輝きは昔とちっとも変わっていないように思えました。その時は。
その後、ファンの人たちが集まるコミュニティで、とある疑惑が提示されました。それは物語の根幹に関わるエピソードの、いわゆる「パクリ」疑惑。まさかね、と思いつつ、比較対象として挙げられた小説を読んだところ、個人的には(あくまで、個人的にはですよ)看過できないレベルで似ていました。まあ結局、確たる証拠もなく、疑惑のままで終わったのですが。
しかし何となくモヤモヤしていたところに投げ落とされたのが、その作家のSNSでの発言という爆弾でした。それは私がかつて愛した小説に関するもので、しかもその小説を貶めるものと言いますか、何と言いますか……。一度世に出したものに関して、書いた本人なら何を言ってもかまわない、というわけではないと思うのですがね。あんまり思い入れすぎても辛いものがある、ということを学びました。