この世の果てまで、小説を持って。 私の心をどんな色にも染めてくれる小説。どんな世界でも見せてくれます。

極上の風景

家のいくつかの場所にカレンダーがあります。壁に掛けてあったり棚や机の上に置いてあったりします。たまにはすごく気に入って買うときもあるけど、ほとんどのカレンダーは年末に色んなところからやって来て、なんとなく日々見て一年を過ごしてしまいがちです。見慣れると、それが日常になって特に何も思わなくなってしまうんですものね。でも、時折、ピタッと目に留まってハッとしたりします。鮮やかなその写真に心を奪われてしまうんですよね。
もうずいぶん前だけど、ずっと玄関横に掛けてあったカレンダーがあまりに美しいことに改めて気づいた事がありました。溢れんばかりのお花の風景です。思わずその時、もう過ぎた月のものまで振り返って見てしまいました。私は今まで毎日何を見ていたのかなと自分自身を疑いたくなりました。そこには、過去の旅で本当に感動した風景もありました。自分で写真を撮っても、目の前のその美しさをどうしても写すことが出来ないことが残念で仕方なかったなって思い出しました。それはもう書店に並んでいるどんな写真集にも負けないくらいの素晴らしさでした。だから年が終わっても大切にしまってあります。今では、素敵なカレンダーがあれば、どこからもらったんだっけって、つい確認してしまいます。あつかましいですけど、翌年にも期待して。

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